IMFの世界経済見通しを読んで、新興国株に興味が湧いたので保有率を上げるか検討しました。結果としてeMAXIS Slim全世界株式の保有比率で十分であると考えます。
IMFの予想
IMFは「2021年1月改定の世界経済見通し」で新興国市場のGDP成長率を下記表のように予想しています。
国名 | 2021 | 2022 |
---|---|---|
中国 | 8.1 | 5.6 |
インド | 11.5 | 6.8 |
ロシア | 3.0 | 3.9 |
ブラジル | 3.6 | 2.6 |
メキシコ | 4.3 | 2.5 |
サウジアラビア | 2.6 | 4.0 |
ナイジェリア | 1.5 | 2.5 |
南アフリカ | 2.8 | 1.4 |
新興国総合 | 6.3 | 5.0 |
全世界 | 5.5 | 4.2 |
先進国 | 4.3 | 3.1 |
先進国と比べて新興国の成長率を高く評価しています。特にインドに至っては中国以上の成長予想をしています。
新興国株のチャート
新興国株の過去チャートを米ドル建ての商品で比較します。
青: iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF (新興国)
橙: S&P500 (米国)
緑: iシェアーズ MSCI 日本 ETF (日本)
新興国が米国や日本と比較して優秀だが、リーマン・ショック時の下落が最も大きい。また、チャート全体として上昇下降の幅が大きく、リスクが高いと考えられます。
年初来チャートを見ても高値と安値の差が大きく、現在の結果として米国、日本よりパフォーマンスが悪いです。
MSCI エマージング・マーケット
新興国株式の代表的な指数である『MSCI エマージング・マーケット』の構成を確認します。情報が手に入りやすかったのでブラックロック社ETFの内容でまとめることにします。自分は似たようなものだと思っています。
保有銘柄一覧
組入上位10銘柄
銘柄 | 業種 | 保有比率(%) |
---|---|---|
TSMC | 情報技術 | 6.33 |
テンセント | 通信 | 5.74 |
アリババ | 一般消費財・サービス | 5.55 |
サムスン | 情報技術 | 4.26 |
メイトアン | 一般消費財・サービス | 1.74 |
ナスパーズ | 一般消費財・サービス | 1.27 |
リライアンス | エネルギー | 1.01 |
中国建設銀行 | 金融 | 0.99 |
JDドットコム | 一般消費財・サービス | 0.89 |
中国平安保険 | 金融 | 0.89 |
サムスン、ナパーズとリライアンス以外は中国(台湾)企業が上位を占めています。やはり、新興国インデックスといっても中国の強さが目立っています。
資産構成
国名 | 保有比率(%) |
---|---|
中国 | 38.71 |
台湾 | 13.48 |
韓国 | 13.10 |
インド | 9.63 |
ブラジル | 4.42 |
南アフリカ | 3.73 |
ロシア | 3.03 |
サウジアラビア | 2.60 |
タイ | 1.84 |
メキシコ | 1.70 |
... | ... |
中国が約40%を占めています。また、注目しているインドは約10%となっています。
感想
IMFの世界経済見通しを参考に新興国株式の保有率を増やそうか悩んでいましたが、特に増やす必要はないと思います。新興国を一国集中投資するのはリスクが高すぎると思うので買う場合はインデックスとなります。そうなるとIMFの予想でも全世界と比較して0.8%の優位性しかありません。0.8%の優位性とリスクの高さを考えると保有率を上げる必要なしと判断します。具体的には『eMAXIS Slim全世界株式』の新興国保有率である約10~14%で十分な保有率と考えます。