株価下落時も積立を継続するために

現在、世界のマーケットでは株価下落が続いています。 主要な指数の年初来から見て、米国 S&P500 と全世界株式 ACWI が約 16% の下落、TOPIX が約 8% の下落となっています。 下落の要因は様々な考えがあるため割愛しますが、全世界で株価が下落している状態であることは間違いないです。

このような下落の局面では投資に対して恐怖を覚える人もいると思います。 特に慣れていない人や株式に集中投資している人は思った以上にマイナスが大きくなっているかもしれません。

しかし、このような状況でも積立継続してこそ後に大きな結果として帰ってきます。 これは過去の株価動向から高い確率でそのようになると言えます。 積立を止めるという選択をしては駄目です。

そこで、積立を継続するために有効だと思う方法をもう一度復習していきます。 これは自分への戒めも兼ねています。

前提

今回の内容は前提として、インデックスに対して積立投資を行っている場合を考えています。 これは基本的に全世界インデックス投資を推しているためです。

インデックスを推す理由は下記記事へ適当にまとめています。

money.nyaomin.info

積立を継続するために

どのような世界情勢になっても積立を継続するために大事だと思うことをまとめます。

  1. 家計を整える
  2. 投資先を分散する
  3. 過去の推移を勉強する
  4. そもそも株価を見ない

家計を整える

積立投資を継続するために最も重要だと思うことは家計を整えることです。 毎月必要な予算、特定の周期で必要な予算 (自動車税など) を明確に目視可能な状態にすることが必要です。 資産運用するために投資を行おうと思えば家計を整えることが必須となります。 これが出来ていない状態であればそもそも投資など行うべきではないです。

そして、予算を決める際は最低でも収入の 10% を預貯金または積立投資の予算とすることです。 人間というのは不思議なもので、気をつけていないと予算は収入と同じ金額に必ずなってしまいます。 これは「バビロンの大富豪」という書籍によれば太古の昔から変わらないようです。 そのため、はじめから収入の 10% を預貯金または投資に使うと決めてしまえば楽です。

今現在、世界では物価の上昇が続いています。 日本でも様々な製品の値上げが報道されている通り、実生活へ確実に影響を及ぼしています。

今一度、家計を見直し、無理な予算がないか、無駄な買い物をしていないか等を再確認する必要があります。 これが出来てこそ、積立投資を継続できると思っています。

投資先を分散する

次に投資先を分散することが重要です。

ここで言う「投資先」とは株、債券、REIT というカテゴリーを分散するという意味です。 例えば、米国株を買っており、新興国株も買おうということではないです。 これも確かに分散ではあるのですが、同一カテゴリー内で分散しているだけです。 カテゴリー外の資産への分散を行うということです。

投資先を分散することにより株、債券、REIT それぞれの動きに対して緩衝となる役割を期待できます。 例えば、年初来の全世界株式 ACWI は 16% のマイナスとなっていますが、株、債券、REIT に分散している私のポートフォリオは 7% のマイナスで抑えることができています。 分散はポートフォリオ全体のリスクを下げ、動きを緩やかにする効果が期待できます。 ただし、当然ながらリスクが下がっている以上、上昇幅もある程度マイルドになります。

現在の大きく下落している世界情勢に対して、耐えられる人は必要がないと思いますが、積立をしている人の殆どが耐えられないと思います。

投資先を分散することにより、ポートフォリオの値動きを緩やかにすることで長期の積立継続が可能になると思います。

過去の推移を勉強する

次は勉強に関してです。

世界の株価というのは過去から現在まで長期的にみると上昇し続けています。

しかし、一直線に上昇しているとは限らないです。 株価が上昇する過程では大きな上げや世界恐慌リーマンショックのような非常に大きな下げを繰り返し、結果として右肩上がりになっています。 端から端をみると上昇していますが、過程をみると全く上昇していない期間や下げ続けている期間などもあるのです。

これらのことを理解するためには過去の値動き、その時に社会情勢などをしっかり勉強する必要があります。 個人的なおすすめ書籍は「ウォール街のランダム・ウォーカー」ですが、少し小難しい内容かもしれません。 もう少し易しめの本としては「敗者のゲーム」が最適だと思います。

株価の動きについて勉強すれば現在の状況が上昇する過程である「可能性」が高いと考えられます。

ただし、これは私なりの解釈です。 自分がどう思うかは自分で勉強して自分で考えるしか方法がないです。

そのため、不安になった時こそ勉強をして、自分なりの考え、論理を構築していく必要があります。 そうすることにより、どのように資産を運用していくのが良いか決断ができると思います。

そもそも株価を見ない

最後の方法は簡単です。

そもそも、株価の状態を見ずに一心不乱に積立を継続するということです。 評価がマイナスになっていることが不安と感じるのであればそもそもそれを見なければ不安になることもないです。 これに関してはスタンフォードの「マシュマロ実験」などで調べると子供に対してですがおもしろい実験を知ることができます。

この評価額を見ないというのは簡単で有効な方法だと思います。 私も実際、2018 年頃の下落や新型コロナショック時は株価を全く見ずに過ごしています。 認識しないというのはかなり効果が高いと自分で思っています。

おわり

世界経済が失速状態になっている現在では様々な意見がネットを中心に飛び交っています。 投資は怖いやマイナスになったので投資をやめる、米国株はオワコンなど好き放題言っています。

しかし、資産運用というのは一時のマイナスで止めるものではないです。 そもそも、株価というのは上下を繰り返しながら上昇していくものです。 ACWI で考えても 2008 年のリーマンショック、2011 年も 20% 以上の下落があり、2018 年は年初始値が年初来高値という状態で 18% ほど下落しています。 直近では 2020 年の大きな下落と V 字回復も経験しています。

継続が最も強いと言われるように、どのような状態でも継続することが重要だと思います。 そして、継続できるような環境、論理、手法を固めておくことが大事です。