2022年5月の株価チャートを眺める

いつも通り、2022 年 5 月までの株価指数チャートを眺めていきます。

今月は全世界が全く同じと言っていいほど似た動きとなっています。 5 月前半に下落し、中旬は横ばい、下旬に上向き上昇するという傾向です。

特に米国株が下落時に大きく動いています。 これは約 40 年ぶりと言われる米国インフレの上昇率が原因と考えられます。 今回の新型コロナショックを契機に上昇したインフレ率を抑えようと FOMC が大きな利上げを行う可能性があります。 このような思惑の元、米国株が悲観的に見られ、大きめの株価下落に繋がったのではないかと考えられます。

そのような中、日本株は比較的安定しています。 特に 4,5 月に関して、細かい動きや傾向はあれど米国、新興国から見るとほぼ横ばいと言って良いです。 ただし、日本も様々な業界で価格上昇が起こっています。 しかも、そのような中、労働者の賃金が上昇しないという社会的に大きな問題を抱えています。 さらに、現政権はイマイチ有効的な案すら提示できていないように感じます。 今現在の株価は安定していますが、先行きは不安要素が多いように思います。

世界の動きとしては上述したインフレ、そして戦争、さらに新たな感染症としてサル痘が懸念されます。 2022 年は世界中で経済失速の懸念事項が噴出しています。 一歩間違えば世界恐慌リーマンショックのような状況になりかねないと思います。

日本株

日本株は 4 月の下旬から引き続きボックス相場的な動きをしています。 5 月上旬に若干、下落しましたが、その後は横ばい、5 月後半から若干の上昇となっています。 ただし、今後の動きは不明ですが、私は下落するのではないかと思っています。

現在の日本経済が抱える問題は物価の上昇と労働者の賃金上昇が連動していないことだと思っています。 近年、新型コロナ禍や人口減少により様々な資源が不足しています。 半導体を中心とした原材料、労働者不足などです。

特に労働者不足に関しては頭に「賃金の安い」が付くと考えられるほど経営者側と労働者側で考え方の乖離があるように思います。 食品を中心に物価は上昇していますが、労働者の賃金は上昇していない状態です。 つまり、日本で働く人は実質的に貧困になっています。 日本社会が数十年抱えている大きな問題です。

そして、更に問題なのが、経営者側も政府もこの問題を「本気」で解決しようという意思が見えないことです。 人手不足と言いますが、インフレにしっかり対応できる賃金設定を行っていないように思えます。

ただし、これは労働者側の努力不足も往々にしてあると思います。 私が思う限り、日本人の多くはサボり体質に見えます。 私の周りだけかもしれませんが、自分に甘く、他人に厳しい、自己評価が高い人が多いように思います。

結局は根底にある意識改革がどうしても必要になるので、解決には時間がかかると考えられます。 多分、私が会社員として働いている内に解決することは難しいのではないかと考えます。

JPX400

米国株

米国株は数字以上に苦しい状態だと考えられます。 歴史的なインフレ上昇による金融引き締め懸念、数十年ぶりのダウ平均連続下落などです。 特にインフレは米国の賃金上昇ペースを上回っている状態まで進んでいるそうで、FRB までもがインフレに警戒感を強めているようです。 また、投資家もインフレによる企業の業績悪化、インフレ抑制を目的とした金融引き締めによる経済の停滞を警戒しています。 これらの状態により、実際の数字より米国株も不安定なのではないかと思っています。

米国はここ数年、凄まじい勢いで株価が上昇しており、一部ではバブルなのでないかとも言われていました。 一歩間違えば世界恐慌のような状態にもなりかねないです。 米国全体としても先行きは不安だと思います。

1655_S&P500

新興国

新興国が抱えている問題としてはロシアと中国に関することです。

ロシアは相変わらず、ウクライナを攻めて戦争中です。 それに伴い、債務不履行、所謂デフォルト状態になるのではないかと懸念されています。 というか、各国がそのように追い込む可能性があり、そのようになった際、経済への影響がどうなるか不明です。 この問題に関して私は武力行使を行ったロシアが悪いと思っているのでなんとも言いようがないです。

中国に関しては最近解除されましたが、上海の長期ロックダウンや不動産バブルの崩壊が不安視されています。 また、今回のロシアが起こした動きにより国連のあり方自体が問われています。 なぜなら、国連において世界の様々な問題に対し、中国とロシアが共同で拒否権を発動することが多いからです。 そして、その共同国であるロシアが世界中から信頼を失っている今、共同で拒否権を発動する中国にも疑いの目が向けられています。 (国連安保理北朝鮮への制裁案が拒否されたことが大きく報道されています。)

総じて、新興国株式も様々な問題を抱えている現在、安心して投資できる対象ではないと考えられます。 どうしても先行きは不安な状態となります。

1658_新興国株式

比較

グラフを並べてみます。

比較

今回は並べてみてもほとんど同じ動きをしています。 米国の下落率が他と比べ大きいですが、年初来の収益にほとんど差がない状況となっています。 また、全世界的に経済の先行きが不安な状態です。 そのため、どこに投資をしても大きな差はないと考えます。

おわり

全体の考えは年初来から変わらず、今年の株価は低調に推移すると考えます。 理由は全世界に対する懸念材料が多すぎること、楽観的な情報、材料が全く出てこないことです。 特に米国のインフレ、ロシアの信頼失墜は世界に与える影響が大きいと予想されます。 さらに、これらの問題が今年中に解決するとも思えないです。 そのため、やはりしばらく世界経済は低調に推移すると考えます。

しかし、そのような状況でも我々のような一般人は積立を継続する以外の選択肢はないです。 特に下落、上昇のタイミングを計ることは難しく、十分な知識も必要となります。 素人や本業を持っている会社員では不可能なことだと思います。

そのため、過去の傾向より長期的に経済は上昇するということを信じ、積立を継続する必要があります。