2022年5月のREITチャートを眺める

5 月の REIT チャートを眺めていきます。

5 月の REIT は米国、欧州、日本共に大きな動きはないです。 米国と欧州は前半に大きめの下落をしていますが、これは 4 月後半からの下落を引いたものだと思います。 また、4 月からの下落の原因としては米国の金利上昇が最も大きな影響だと考えられます。 次いで、金利の上昇に伴う市場心理や新型コロナウイルスの影響だと思います。 しかし、これらの内容も徐々に落ち着いた為、5 月は大きな動きがなかったと考えています。

情勢的に仕方のない動きだと思いますが、REIT に関しては楽観的に考えています。

米国 REIT

年初を 100 とした米ドル建て VNQ チャートです。

4 月後半から 5 月上旬にかけて大きな下げを経験しています。 しかし、それ以降は安定した動きを続け、若干ですが、上昇傾向に戻っています。

下げの原因は米国の金利上昇だと想像できます。 これは新型コロナの影響による世界経済の歴史的なインフレに対応するための政策です。 そのため、仕方のない措置であると考えています。

今現在、私は金利上昇による心理的影響も落ち着いてきたと考えています。 下落も一服しているため、長期的には特に心配しなくても良いのではないかと思っています。

VNQ

欧州 REIT

年初を 100 としたユーロ建て REITE チャートです。

動き自体は米国 VNQ と同様な状態となっています。 4 月からの下落を 5 月前半まで引き、その後落ち着き、現在は若干の上昇傾向です。 4 月からの下落は米国同様に金利上昇が最も大きな要因だと考えられます。 そのため、心理的に落ち着くと今後は回復基調になるのではないかと考えています。

しかし、欧州にはロシアという大きな懸念材料があります。 現在、ロシアは主要な国ほとんどから信用を失っている状態です。 特に東欧州では NATO への加盟申請や連携の動きが活発しており、ロシアの脅威に敏感です。 そのような中、現在のロシアがどのような手段に出るか先行きに大きな不安があります。

個人的には欧州 REITE に関して、悲観的に考えています。 ロシアの動きが理解の範疇を超えているため、不安要素しかないです。

REITE

日本 REIT

年初を 100 とした円建て東証 REIT 指数チャートです。

日本 REIT は 4 月以降、ずっと横ばいで推移しています。 特に目立った大きな動きはなく、米国や欧州と随分違ったチャートになっています。 随分、底堅いです。

理由はよくわかっていないですが、先進国の中でも低金利を維持しているからではないかと思っています。 良いか悪いかは別として、現在の政権や日銀は急激な円安に対しても特に目立った動きや対策を行っておらず、はっきり言えば静観している状態です。 日本 REIT にとってはこれが良く働き、外国からの資金流入が止まっていないのではないかと考えています。 というか、それ以外に私の頭では考えようがないです。

とにかく、日本 REIT は米国や欧州と比べても堅調な動きをしています。 日本にもインフレ懸念はありますが、楽観的に捉えて良いのではないかと思います。

REIT

中国不動産

中国の不動産市場は引き続き悪化しています。 これは新型コロナウイルスまん延による上海の長期ロックダウンや中国恒大集団のデフォルト (事実上) が影響しています。 中国元建ての社債発行などで急場を凌いでいるようですが、時間の問題だと思います。

現在、中国不動産への投資は行わない方が良いと思います。

おわり

5 月の REIT 市場は比較的安定していた月だと思います。 株同様に様々な懸念はありますが、株に対するリスクヘッジとしてポートフォリオに組み込むべきだと思います。 ただし、新興国 REIT に関してはおすすめ出来ないです。 なぜなら、ロシアと中国に対する不安材料が大きすぎるからです。 それらに資金を投じるにはリスクが高すぎると考えます。

私は引き続き先進国と日本の REIT に積立を継続していきます。