2022 年は世界的に株価が下落しています。 世界の代表的な指数である米国 S&P500 は年初から現在まで約 22% の下落となっています。 全世界の指数である ACWI も S&P500 と同程度の下落となっています。
このような状況な為、投資に関するマイナスの感想も良く聞こえてきます。 投資は危険であるなどの意見やインデックス投資で早々に損切りをしてしまうなどです。
しかし、今回の下落である年初来 -22% 程度であれば十分にリスク範囲に収まっています。 S&P500 指数に投資を行った場合の投資期間と年平均リターンのちらばり方を私のバイブルである「ウォール街のランダムウォーカー」が示しています。 手元にある最新の版が 11 版な為、1950 年から 2013 年のデータとなりますがリーマンショックを挟んでいるため大きくズレていないと思います。
下表は「ウォール街のランダムウォーカー」による米国 S&P500 の投資期間と年平均リターン表になります。
投資期間 | 最大リターン (%) | 最小リターン (%) | 差 |
---|---|---|---|
1 年 | 52.62 | -37.00 | 89.62 |
5 年 | 28.76 | -2.58 | 31.34 |
10 年 | 19.61 | -1.47 | 21.08 |
15 年 | 19.10 | 4.21 | 14.89 |
20 年 | 17.99 | 6.46 | 11.53 |
25 年 | 17.37 | 7.96 | 9.41 |
投資期間 1 年では予想できる最大リターンは 52.62% となり、最小リターンは -37.00% となっています。 これは投資期間 1 年であれば資産が -37% 減るリスクがあるということです。 最大と最小の差が大きいほどリスクが高いと考えられます。
2022 年現在の -22% というのは十分想定されるリスクの範囲内です。 全く慌てる必要ないです。
今現在の下落を耐えることができていない人は投資計画を練り直す必要があります。 特にリスクを取りすぎたポートフォリオになっていないか確認することをおすすめします。
- 株式の割合が大きく、リスクを取りすぎていないか
- 投資先が一国に集中していないか
- 余剰資金で投資を行っているか
昨今、米国投資というものがブームになっているようですが、一国に集中投資するというのはリスクを取りすぎています。 特に米国の株価推移を見ると、確かに近年は凄まじい勢いで上昇しています。 しかし、その前、2000 年代の 10 年間は横ばいで推移しています。 米国株でさえ、10 年間上昇しないという時期が確かにあったのです。
さらに現在、米国株への投資を推奨している人で 2010 年以前にも同じことを言っていた人を私は知らないです。 つまり、米国株への集中投資を説いている人は近年から情報発信し始めた人達です。 環境が整って来たという理由もあると思いますが、少なくとも 2010 年頃に米国への集中投資を訴えている人はいなかったと思います。
とにかく、ポートフォリオを見直して許容リスクを考え直すことが必要です。
また、投資資金について、余剰資金以外で行っている人は家計の見直しから再考する必要があります。 投資はあくまで余剰資金を運用するものです。 必要な資金にまで手を出すと下落相場でダメージを受け詰んでしまう可能性もあります。 そうなってしまうと投資どころではなくなってしまいます。
ランダムウォーカーの表からも投資のリターンを安定させる為には 15 年以上の期間が必要です。 そのためには 15 年間、続けられる計画を策定する必要があります。
今回の下落を気にもう一度、投資計画を見直し、本当に続けられる計画か再考しても良いかもです。