日本株指数について最高値から投資を始めてもプラス収益になる話

昨今、FIRE ムーブメントや投資が話題になることが多くなっています。 各種ブログや youtube などでも発信している人が増えている印象です。

そして、そのような話題が増えると反対意見として投資は危険や長期で考えても儲からない等の話が出ます。 特に日本株について、TOPIX日経平均株価が最高値を更新できず、30 年間停滞を続けていることを根拠としているようです。

しかし、日本の株価を見て投資は危険と言う批判者は決まって「一括投資」の話しかしていないです。 投資のリスクを抑えた時間分散であるドルコスト平均法を使って日本株指数に投資を行った場合の話をしている人を私は見つけることができなかったです。

そこで、今回は過去の最高値を更新していない日本株指数に投資をしても大丈夫だという話です。

ドルコスト平均法の有用性を説明した記事の補足でもあります。

はじめに

はじめに、私が最適だと考える投資は全世界に分散したインデックスファンドをドルコスト平均法で長期間購入する手法です。 全世界に分散するというのは株、債券、REIT 等の商品も広く分散します。 ポートフォリオとリスクが許すのであれば、金などのコモディティへの分散も良いと思います。 そして、選択するインデックスファンドは低コスト商品を選び、費用を抑えます。 最後に、長期間というのは自身の生命が病気などで脅かされるなど、どうしても必要な時まで運用を行うことです。 健康でいる限り、30 年、40 年、50 年という期間になります。

一括投資の話しばかりしている

冒頭に書いた通り、投資批判者はほどんどの人が一括投資というリスクの高い投資手法の話しかしていないです。 しかも、対象が株式への一括投資という非常にリスクの高い事例を挙げ批判しているように感じます。

(投資を行っている上で最大効率を目指すためにドルコスト平均法に疑問を呈している人はいます)

さらに、投資を行うタイミング (機会) の話を行うなど投資と言うより「投機」の話をしている人も散見されます。 特に日本の株価指数はわかりやすく的にされており、バブル期の高値を超えていないことを根拠に危険性を煽っています。

TOPIX の最高値から投資を始めても利益が出ている

では、私が考える「投資」を日本株指数に対して行った場合、どのような結果になるかまとめてみます。

TOPIX の史上最高値である 1989 年から始まる年足チャートを元にします。 TOPIX 価格は年の最高値を基準にしています。 これは批判者が最高値を基準にしていることが多いため、それに倣っています。 また、年足チャートは TOPIX の公式サイトから簡単に入手することができます。

そして、1989 年からドルコスト平均法を用いて投資を行った場合の推移をグラフにします。 投資金額は毎月 1 万円として、年 12 万円の積立を想定します。 特に非常識な設定ではないと思います。

黒線 : TOPIX の価格推移 (グラフ右軸)

青線 : 投資元本の推移 (グラフ左軸)

橙線 : 資産推移 (グラフ左軸)

以上の条件でグラフを作って見ました。

TOPIXの推移

IT バブル崩壊リーマンショックの影響を受けて苦労していますが、現在では大きく資産を増やしています。 特にアベノミクス辺りからの資産上昇がえらいことになっています。 金額にすると投資元本 396 万年に対して、資産額は約 558 万円となり、162 万年ほどのプラスとなっています。 TOPIX の価格自体は最高値から見て 70% 程ですが投資としてはプラス収益となっています。

この時点で、日本株に投資を行っていれば損をしているという前提が崩れています。

確かに、投機というギャンブル的な事をしていれば未だにプラスになっていないかもしれませんが、適切な投資を行えばプラス収益となります。 ただし、流石に最高値からということになるため、資産がマイナスの期間は長めとなっています。 その期間を耐えるというリスクはあります。

日経平均ではどうか

ついでなので日経平均でも同じようなグラフを作りました。 日経平均も似た時期に史上最高値となっています。 また、グラフの線色も TOPIX と共通になっています。 ただし、今度は年足チャートが手に入らなかった為、月足となっています。 そして、X 軸の表示がうるさかった為、X 軸の表示は消しています。

日経平均の推移

わかっていたことですが、日経平均でも投資を行えばプラス収益となっています。 しかも、396 万円の投資額に対して、300 万円ほどのプラス収益です。 約 75% というすごい収益率となっています。

ただし、日経平均も評価額マイナスの期間は長めになっています。

結局

投資を行うことに批判的な人はもう少し前提をはっきりさせてもらいたいと思います。 「投資」の話なのか、「投機」の話なのか、もそうです。 投資にしても株への集中投資なのか債券も加えるのか、購入方法は一括なのか積立なのかなどもそうです。 または、投資による評価額マイナス期間の長さを危険と言っているのかイマイチはっきりしないです。

さらに、現金で保有している場合、インフレによる現金価値の低下による影響と投資を比べてどうなのかという点も説明が不足しているように思います。 インフレにより現金の価値が下がっている場合、見えている金額が変わらないからと言って豊かさが変わらないかというとそうではないと思います。

例えば、自動販売機の飲み物は 100 円から 130 円と 30% ほどインフレしています。 昔と比べ、自動販売機で飲み物を買う資金は 30% 増えています。 言葉を変えると自動販売機で飲み物を買う資産が 30% 減ったとも言えます。

おわり

少々、長くなったのでおわります。 今回、気まぐれで TOPIX日経平均のグラフを作って見ましたが、改めてドルコスト平均法と長期投資の有用性がわかりました。 リスクであるマイナスの期間を耐える準備をしておけば、この方法で十分な資産を築けると確信を強めています。