よく忘れられるロールオーバー制度

昨今の投資ブームにおいて、NISA についての勘違いをよく聞きます。 内容として一般 NISA は 5 年で非課税期間が終わるため長期投資に向かないやつみたて NISA に対してリスクが高いなどです。 NISA 制度が始まってからずっとですが、なぜかロールオーバーという制度がよく忘れられているように思います。

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はじめに

私の立場は一般 NISA 推しです。 つみたて NISA と違い、株以外にも債券、REIT 等へ分散し、自分のポートフォリオを構成することができるからです。 つみたて NISA の場合、債券や REITポートフォリオへ組み込むためにはバランスファンドを購入するしか手がないです。 しかし、バランスファンドをポートフォリオに組み込むと急に構成が複雑になり、管理が難しくなります。 そのため、私個人はつみたて NISA より一般 NISA を中心に投資を行っています。

忘れられるロールオーバー制度

一般 NISA の危険性として非課税期間が 5 年と短いため、リスクが高いという意見があります。 確かに 5 年という期間は長期投資というには短く、過去の全世界株推移を見ても暴落時に回復するか微妙な期間です。

しかし、一般 NISA にはロールオーバーという制度があり、非課税期間を延長することができます。 今の所、新 NISA の投資期間である 2028 年 + 5 年の 2033 年まで運用できます。 例えば、2014 年に始まった時から NISA を利用している場合、ロールオーバーが 2 回可能です。 最大運用期間は 15 年間となります。 15 年あれば過去の実績から大体の経済後退も回復しています。

さらに、2024 年から始まる新しい NISA 制度では商品によってつみたて NISA へもロールオーバーすることができ、20 年の延長が可能です。 この辺りは新 NISA 制度が複雑怪奇な作りとなっているため説明が難しいです。 興味があれば自分で調べて見てください。 非常にわかりにくい制度になっています。

※ ただし、監視銘柄や整理銘柄はロールオーバーできないようになっています。

つみたて NISA にロールオーバーはない

一般 NISA で用意されているロールオーバー制度ですが、つみたて NISA には今の所ありません。 金融庁の方針がコロコロ変わっているため、今後追加されるかもしれませんが、現状ではつみたて NISA にロールオーバー制度はないです。

よく、つみたて NISA は合計で 800 万円運用でき、一般 NISA よりも多くの金額を投資できるという説明があります。 しかし、これも罠で MAX の拠出額 800 万円を運用できる期間は 1 年しかないです。 今からつみたて NISA を始めたとすると運用拠出額 800 万円に達するのは 20 年後です。 21 年後からは初年度に運用し始めた拠出額 40 万円分(運用益も含む)を課税口座へ移すか、売却するか選択が必要です。 そして、翌年からの運用は拠出額 760 万円分となります。 つまり、20 年かけて拠出額 800 万円を崩していく形になります。

このあたりがよく勘違いされているように思います。

結局どっちが良いのか

では、一般 NISA とつみたて NISA のどちらが良いかという話です。

私の意見は一般 NISA を選択するべきだと思います。 と、いうよりも新しい NISA 制度により新 NISA の一部(1 階部分)がつみたて NISA へもロールオーバーできるようになります。 5 年という短い期間ですが、債券、REITポートフォリオに加えることによりリスクを抑えることを考えるとつみたて NISA を選ぶという選択肢はないです。

結局、つみたて NISA で債券、REIT の個別商品が選べないという大問題が解決しない限りつみたて NISA は勧めることができないです。

あくまで、個人的にです。