指数の年利を考えて投資詐欺から見を守る

今回は投資における年利の基準を考えていきます。

世の中には考え難い利益を提示してくる投資話が存在します。 例えば、一年で元金が 10 倍になるや、月利 20% を確実に手に出来る等です。 個人的な考えを言わせてもらえば「確実」に詐欺です。

しかし、なぜかこのような話にのってしまう人がいることも事実です。

代表的な指数の年利を考えるとこれらの話が如何に無謀な内容か簡単に理解できます。 また、自分の資産が増えていく割合もある程度検討することができると思います。

ということで、考えていきます。

代表的な指数の 1 年リターン

代表的な指数の 1 年リターンを見ていきます。 この内容は 2023 年 2 月時点の情報となります。 また、指数情報は円建ての投資信託が比較しやすいです。 そのため、手数料の低い投資信託を用いて比較を行っていきます。

情報は全てモーニングスターから拝借しています。

投資信託 トータルリターン (1年)
eMAXIS Slime 米国株式 (S&P500) 3.85%
iFreeNEXT NASDAQ100 インデックス -6.61%
eMAXIS Slime 先進国株式 (MSCIコクサイ) 5.54%
eMAXIS Slime 新興国 1.49%
香港ハンセン指数ファンド 7.61%
eMAXIS Slime 国内株式 (TOPIX) 6.86%
eMAXIS Slime 国内株式 (日経平均) 3.28%
eMAXIS Slime 全世界株式 (MSCI ACWI) 5.01%

適当に有名所を選択してみました。 なんとなく、中国も入れた方が良いと考えて「香港ハンセン指数」も加えています。

所感

一年のトータルリターンを見ると多くて 7% ほどに留まります。 大体の中央値でも 3〜4% ぐらいだと思います。

各種指数というのは対象の市場平均です。 加重されている部分もあるため、純粋な単純平均ではないですが、まぁ、平均と考えて大丈夫です。

特に注目するのは全世界株式のリターン 5% です。 これは MSCI のワールドインデックスに連動する投資信託で、「全世界の平均」です。

この全世界の平均を知るだけで投資に期待するリターンが想像できます。 これ以上のリターンを望むと当然、リスクも増加するということです。 特に期待リターンが平均値より大きくなるほどリスクが上がります。

一年で 10 倍などという話が到底無理だと理解できるはずです。 もしくはとんでもないほどのリスクを背負わされている可能性があります。

本当に楽をして資産を増やしたければ、インデックス投資を行い、年率 5% 程度を狙うしか方法はないです。 たった 5% と思うかもしれませんが、投資に期待できるリターンなんてそんなものです。 そもそも、短期間でお金持ちになろうという考えそのものが無謀なのです。

もちろん、投機やギャンブルによって短期間で莫大な利益を得た人も中にはひと握り存在します。 そのような人は運が良かっただけです。 試しにその人が言っていることを行ってみてください。 再現性が非常に低いです。 再現性が高ければ全員金持ちになっています。

我々のような一般人はインデックス投資を行い、コツコツと積み上げる方法が最善です。 比較的楽に実施でき、さらに再現性も高いです。 また、タイミングや銘柄を分析する必要もなく、誰でも気軽に始めることができます。

というか、この方法しかないと私は考えています。

おわり

昔の友人が投資詐欺に捕まりそうだったので必死に説明していました。