長期的な投資で重要な"無駄な物を買わない"という思想を復習するためにミニマリストの本を読みました。 「手放す練習」という本です。 著者はミニマリストしぶさんという方で何やらその界隈で名が通っている人らしいです。 ちなみに、私は人名に興味がないので全く知らなかったです。
概要
冒頭は殆どの書籍同様に著者の生い立ち紹介や使用しているツール類、部屋の紹介等からはじまります。 ミニマリストを自称している通り、モノが少なく、がらんどうな部屋の写真などが掲載されています。
本編の内容は典型的な思想紹介本の流れになります。
具体的には物を減らす理由や意義について説明して、自分はこのようにしているという紹介をしています。 ミニマリズムという考えが浸透した背景やデザインの観点からも切り込んでいます。
また、人の性格別に物を減らすアドバイスも記載されています。 このような本では自分のやり方通りに減らせという目線が多いのです。 しかし、大事だと思っている物は千差万別なのでそれを考慮したアドバイスも書いています。
そして、ミニマリスト本には珍しく、"増やし方"についても少々触れています。 この手の本にしてはなかなか珍しい切込みです。
感想
著者はミニマリストを自称していますが、私はミニマリストとシンプルライフの中間的思考だと感じました。 思想的にはシンプルライフなのですが、取捨選択した結果、モノが極端に少なくなり、ミニマリスト的になっているように思います。 ちなみに、ミニマリストとシンプルライフの違いはモノの減らし方です。 ミニマリストはとにかく最小を目指します。 シンプルライフは自分が幸福であればモノが多くても問題にしないです。 私はこのように理解しています。
本書の内容も随分と参考になる意見もありますが、反対にやりすぎだと思う部分もあります。 初めの方に"中庸"という言葉を出してバランスが重要だと説明していますが、少々やりすぎて偏っている部分もあるように感じます。 ただし、人によって"中庸"の定義はことなるので、このあたりは難しいところだと思います。
特にこの手の本で書かれている"スマホ一台でなんでもできる"という意見には賛同しかねます。 例えば私のように趣味としてモノづくりを行っている場合は当然、様々な工具や機械が必要になります。 今現在、何かを作ることを趣味にしている人は 3D プリンタも所有していると思います。 それらの制御やデータ作成をスマホ一台で行うのはほぼ不可能です。 "ほぼ"と書いたのは気が狂いそうになる不便を我慢できるのであれば可能だからです。
例えば、シェアサービスを使えば良いと本書では書かれていますが、上述した趣味の内容をシェアサービスで使うと非常に不便です。 設定などを好みにカスタマイズできないなど使い勝手を犠牲にする必要があります。 また、使用時間などの制限等もあり、ストレスになります。 それらを我慢するということは本末転倒になっています。 結局、趣味や人によるのでスマホ一台でなんでもできるというのは極論だと思います。
参考になる意見として"余白"の重要性を説いている項目には納得感があります。 余白の美しさ、芸術的観点や精神的なことまで非常に賛同できる意見が書かれています。 特に第 2 章は良いことを書いていると思います。
総合して、ミニマリストの思想を学ぶには良い本だと思います。 自分がそのように振る舞うかは別として、一つの思想本として読む又は片付けのモチベーションを上げるために読むと参考になると思います。
おわり
やはり、実際に行動するかは別として、ミニマリストの思想は参考になります。 次はシンプルライフ系の本でも読んでみようかなと思います。