JPX400のすすめ (勧めない)

JPX400 に関する雑記です。

私は日本株式の指数として JPX400 を推しています。 この指数は東証に上場している会社の資本効率等を元に「投資家にとって魅力」のある銘柄を 400 社選んでいます。

日経平均TOPIX は銘柄の選定に少しだけ問題があると考えているからです。 日経平均は上位 10 銘柄で全体の約 38% を占めています。 特にファーストリテイリングは 1 社で 10% 以上のウェイトとなっているため影響が大きいと考えられます。 TOPIX東証全体の銘柄を対象としますが、日本の会社には上場が目的になっている会社がそれなりに存在します。 よく言われる"ゾンビ企業"と呼ばれる銘柄も多く含まれてしまうという点に問題があります。

ただし、結果だけ見ると日経平均の成果が良く、JPX400 は TOPIX と同等もしくは少し悪いという状態になっています。 また、JPX400 は他の指数に対して手数料も高くなります。

長期のインデックス投資をするのであれば日経平均を選ぶ方が無難だと思います。

JPX400

JPX400 の説明は日本取引所グループ内にある公式サイトがわかりやすいです。

https://www.jpx.co.jp/markets/indices/jpx-nikkei400/index.html

この指数は「投資者にとって投資魅力の高い会社」で構成するという狙いがあります。 これは公式サイトでも大々的に謳われています。

そのため、銘柄の選定については厳格な基準が設けられています。 これは日経平均TOPIX と大きく違うところです。

また、対象となる市場はプライム、スタンダード、グロースになります。 これは TOPIX と同じです。 日経平均を構成する銘柄はプライム市場からのみ算出するようになっています。

日経平均の問題

日経平均日本経済新聞社がある程度の基準を元に東証プライム市場から選定します。 ある程度の基準と書いた通り、日経平均の算出には"厳格"なルールがないです。 割とあいまいな係数を使っている部分があります。

私が感じる日経平均の問題は構成銘柄のウェイトです。 現時点で、上位 10 社が全体の約 38% を占めています。 さらに、上位 3 社であるファーストリテイリング東京エレクトロンソフトバンクグループだけで約 20% の構成率です。 これは少し偏り過ぎだと思います。

構成銘柄が一部の企業に偏っているため、何かトラブルがあれば大きく下がる可能性があります。

インデックスとして考えると少々リスクがあるように思います。

ただし、そうは言っても一番結果を残しているのも日経平均です。

TOPIX の問題点

TOPIX 最大の問題点は東証に上場している全銘柄を対象としているところです。

東証に上場している会社は 3,877 社になります。 世界の証券所からみるとそれなりに多い数になります。

しかし、上場している企業数の割に取引所全体の時価総額はそこまで多くないです。 一社当たりの時価総額で見ると香港取引所あたりと良い勝負になります。 ニューヨーク証券取引所が圧倒的として、上海証券取引所などにも届いていない状態です。

これは日本市場で昔から問題視されている"ゾンビ企業"の影響が大きいと思います。 日本ではブランド力や知名度を上げるために上場する企業が多いと言われています。 実質的には破綻している企業も事業継続して上場を維持しているという話もあります。

TOPIX ではこれらの企業全てが指数に含まれます。 つまり、指数上昇の足を引っ張っている企業を外すことができないのです。 ある程度の選別もできないため、どうしても上昇という面では不利になります。

JPX400 は TOPIX と変わらない

では実情はどうなのかと言うと、JPX400 は TOPIX と変わらない結果になっています。 次のチャートは JPX400 が算出開始をした 2014 年 1 月 6 日を 100 としたチャート比較になります。

チャート

日経平均が圧倒的な結果を残しており、JPX400 は TOPIX と同等もしくは少し悪いという結果になっています。

さらに、JPX400 は投資信託で見た場合、信託報酬が若干高いです。 日経平均TOPIX に比べ、0.06% 程余計に信託報酬手数料が発生します。

まとめ

ということで、JPX400 をポートフォリオに加えるメリットは無いです。 日本株式をポートフォリオに加える場合には素直に日経平均を選んだ方が良いです。

あれ?

なんか思っていた方向と真逆に進んでいるような気がします。

JPX400 が設定された時は"これからの日本株価指数はこれだ"と思っていたのですが、なかなか上手くいかないものです。 GPIF の構成銘柄からも外されているので新 NISA に移行するタイミングで保有分をどうするか判断します。