映画『マネー・ショート 』の感想と教訓

アマゾンプライムビデオで『マネー・ショート 華麗なる大逆転』を観ました。
最近は仕事が忙しく、休日くらいゆっくりとしたかったのでちょうどよい暇つぶしになりよかったです。

マネー・ショート華麗なる大逆転 (字幕版)

マネー・ショート華麗なる大逆転 (字幕版)

  • 発売日: 2016/06/22
  • メディア: Prime Video

概要

マネー・ショート 華麗なる大逆転』はノンフィクション書籍『世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち』を原作としたアメリカの映画 。2006年頃のサブプライムローン危機を題材として4人の投資家視点から住宅バブルを描いた作品となっています。

サブプライムローン危機は後に通称「リーマンショック」を経て全世界の経済暴落を引き起こした原因です。

前提知識

知っているといい前提知識を簡単に紹介

空売り

株や債券を高いうちに買って、下がってから買い戻す投資手法。 株や債券の価値が「下がる」と利益を得ることができる。

サブプライムローン

アメリカで貸し出されている信用度が低い人向けのローン。

MBS(モーゲージ債)

住宅ローンなどを複数まとめて金融商品とした債権。

CDO(債務担保証券)

ローンの債権などを担保に発行される金融商品

CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)

金融商品にかける「保険」のこと、保険料の支払いが必要だがトラブル時には保険金が入ってくる。

仕組み

なぜ、サブプライムローンが可能なのか簡単に仕組みを解説。
※ 複雑すぎるので間違っているかもしれないです。

本来であれば銀行は信用度の低い人にローンを貸し出さないが、信用度の高い人向けに貸し出したローンとサブプライムローンを混ぜた債権(モーゲージ債)を投資家に販売することによりサブプライムローンのリスク(不良債権化)を機関投資家に負わせ、自分たちは手数料を得た。さらに、モーゲージ債を担保にCDOを発行し投資家に販売。CDOの中身はモーゲージ債以上にリスクが高い債権ばかりを集めていた。

なぜ、こんなリスクの高い商品が売れたかと言うと信用格付会社に依頼して「AAA」の最高格付けをしてもらったからです。
なぜ、格付会社が「AAA」の格付けをしたかと言うと「高い格付けをしないと他社に仕事を取られるから」と中身が複雑すぎて誰も精査できなかったので銀行に言われるままに格付けしたからとのこと。

感想

話の展開とテンポがよくユーモアも入っており、非常に観やすかったです。4つの投資家視点から描かれていますが複雑に絡み合っているわけではないので特に混乱するようなこともなくスムーズに話が進んでいきます。
自分たちが儲けるということは何万人もの人が破産することを意味しており投資家の心の葛藤も表現しているところはよかったです。
前提知識を書いているように一部、専門用語が飛び交うので全く投資をしたことがない人にとっては意味がわからない部分もあると思いますが、教訓として観る価値ある映画だと感じます。

教訓

映画の教訓というより、リーマンショック全体の教訓ですが、投資家としては「中身の理解できない金融商品は買うべきではない」というのが一番だと思います。
また、投資家以外でも複雑すぎるローンや理解できない制度には十分注意する必要があると思います。
自分が何をしようとしているのか、何を買おうとしているのかを時間をかけてしっかり勉強する必要があると思います。私も気をつけるようにします。

最後に、映画の冒頭で出てくるマーク・トウェインの名言を書いて終わります。

やっかいなのは、何も知らないことではない。
実際は知らないのに、知っていると思い込んでいることだ。
-マーク・トウェイン-