「FIRE -最強の早期リタイア術- 」を読んで

久しぶりに本を一気読みしました。
(サイド)FIREを目指していますが、FIREに関する本を読んでいなかったなと思ったので買ってみました。

概要

世界で下位1%の貧困層だった中国四川省(だったはず)出身の著者が上位1%の富裕層になるために行った行為や心構えを書いており、 自己啓発的な内容ではなくFIREを達成するための現実を伝える本。

ミリオネアになるためには恵まれた境遇で育つ必要はない

感想

割と新しい翻訳本の割に読みやすかった。 既に全世界投資を行っている私には真新しい内容や目からウロコ的な内容ではないが一人の人物の物語としても魅力があった。 著者夫婦が元々高給取りということは置いておくとして、この本の内容を実践すればいつかはFIREが達成出来ると私も思います。
P170に載っているグラフ(貯蓄率とリタイアまでの年数)は参考として良い。

FIREを達成するために

新しい本なので詳しくは記載しませんが、FIREを達成するために著者が行ったこと、考えをまとめておきます。

節約

貧困層の家庭に生まれた著者は「欠乏マインド」という一種の脅迫観念的な精神状態になっており、病的なまでにお金に執着と不安を感じて節約を心がけています。 とはいっても、一時、コーチのハンドバッグを収集することに嵌っていたりなかなか人間らしい一面もあります。

(まだ)自らの情熱に従うな

「好きなことを仕事にしろ」と言う自己啓発的な本は多くありますが、著者はPOTスコアという評価基準を考案し、好きな仕事ではなく収入を稼げる仕事に就くことを勧めています。 自分の好きな仕事や趣味はリタイアした後に行えば良いという考えです。 著者自身も実践し、初めは好きでもないエンジニアとして働いています。

借金はするな、既にしている場合は全力で返済

消費者ローンは最悪、学生ローンは二番目に悪い、住宅ローンは場合によるがマイホームは決して投資や資産ではない。 クレジットカードはポイントや特典を上手く使う。 著者がFIREを達成した後の世界旅行を行う際はクレジットカードの特典をうまく使い節約を心掛けている。

投資を行う

現代ポートフォリオ理論を駆使して、安全な投資を行う。 アクティブファンドではなく手数料の安いインデックスファンドを中心にポートフォリオを組むこと。 ちなみに著者のポートフォリオは20代、30代にしては守りに重点が置かれ、債券が多めのポートフォリオになっている。リーマンショックの時は25%ほど資産が減り、発狂して売りそうになっていたそうです。 いま考えるとリーマンショック時に25%のマイナスは優秀。

計算を行う

FIREで有名なルールである4%ルールや株式の暴落時に備える現金クッション、インフレや保険、予期せぬ出費、全てにおいて数学的な計算を用いて合理的に判断する。 書籍内ではメディアで発表された子供にかかる費用を実例と計算により否定しています。

最後に

結局はお金持ちになるカギは自分に最もあったやり方を選ぶことだが、 起業家、投資家、倹約家(著者のやり方)の内で倹約家の方法が一番、数学的に再現性が高い。そのため、この本の内容を実践することを勧めています。

お金を理解すれば、人生は信じられないほど気楽なものになります。
大多数の人のようにお金を理解していなければ、人生は信じられないほどつらいものになります。