プロスペクト理論と米国株の現状について

昨日は別の事に集中していた為、更新が抜けていました。

現在、世界経済は絶賛下降中です。 そのような中、プロスペクト理論という言葉を思い出したのでなんとなく調べ直してみた事と指数の現状をもう一度確認してみました。

プロスペクト理論

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%AF%E3%83%88%E7%90%86%E8%AB%96

プロスペクト理論についてはウィキペディアになかなか難しい言葉で書いています。

まぁ、要するに人間が物事を判断する際には感情や感覚が邪魔をして正確に判断出来ていないということです。

投資に置き換えると過度な期待から利益確定のタイミングを逃したり、反対に損切りのタイミングを損ね塩漬け状態になってしまうという判断の誤りについてよく例えられます。 理想では損を小さく、利益を大きく伸ばしたいですが、多くの投資家は利益確定が早く損切りが出来ないという逆の行動をとってしまいます。

多くの投資家が失敗してしまう原因です。

特に私の周りでは直近の株価の動きに振り回されて冷静に資産の推移を見ることが出来ていない人が多いように思います。 下落しているという報道に惑わされて実際の自分の資産がどのようになっているか確認することを忘れているように見えます。

S&P500の状況

最近では S&P500 を中心に投資を行っている人が多いと思うので S&P500 の状況を再確認してみます。 対象商品は最も一般的である SPDR S&P500 ETF のチャートを見ていきます。

はじめは米ドル基準で見た年初来と直近 1 年のチャートとなります。

米ドル建て S&P500 年初来チャート

米ドル建て S&P500 直近1年チャート

年初来で見ると約 18% の下落となっています。 ここを切り取るとそれなりに大きな下落です。 例えば、今年から株式投資を始めて S&P500 へまとまった金額を一括投資した場合はダメージが大きいと思います。

しかし、直近 1 年の結果を見ると約 -8% 程です。 まぁ、1 年あればそれぐらいは動くよねという範囲内です。 ちなみに、2018 年が年間で -8% ぐらいだったはずです。

次に SPY を日本円に直したチャートを確認してみます。

日本円建て S&P500 年初来チャート

日本円建て S&P500 直近1年チャート

日本円で見た場合、S&P500 は年初来で -4% 程度、直近 1 年では 12% 程の上昇となっています。 年初来で見ても当然、上下するであろう範囲内に収まっています。 直近 1 年で見ると十分なほど上昇しています。 ただし、これは円安の影響が大きいと思います。

円安の影響が大きいとは言え、日本円で見ると特に心配するほど下落していないです。 また、米ドルで見ても想定される範囲内の下落だと思います。

長所は長期で測り、短所は短期で測っている

そもそも、現在の S&P500 ブームは長期的なチャートを見て優秀さを示している人がほとんどです。 私が見た限り、30 年以上の長期チャートを示し、S&P500 の優秀さを訴えている人ばかりだったと思います。 そのような中、半年間 -18% 程度の下落で短所を測られては S&P500 も納得がいかないと思うので長期チャートを用意してみます。

単位は面倒だった為、米ドルのみとなります。

米ドル建て S&P500 長期チャート

なんかもう......「別に......」という感想しかないです。

ドットコムバブル崩壊時やリーマンショック時と比べれば全く問題ないように見えます。 ドットコムバブル崩壊時は 350 から 200 ほどまで 約 40% 程の下落、リーマンショック時は 350 から 160 ほどまで約 50% の下落です。 それから見ると今回の下落最大時で 1080 から 900 まで約 17 % の下落です。 そんなものだよねとしか言えない状況です。

ちなみに、長期的にどうなるのかは予想するだけ無駄です。 まず、間違いなく誰も当てることが出来ないからです。

おわり

結局、何度考えても今の下落相場は全く問題ないという結論にしかならないです。 円安についても色々言う人がいますが、自分でコントロールできない範囲の話をしても物事は何も進展しないので無駄だと思っています。