6 月の REIT チャートを眺めていきます。
REIT 市場は全体として、4 月後半からの下落から更に一段、下落しています。 原因は恐らく、世界的な金利の上昇だと考えられます。 株価下落と原因は同じです。 金利上昇による景気の後退を嫌がった結果だと思います。
特に米国と欧州は年初来の安値を付け、-22% というなかなかな下落相場となっています。 米国は後半に若干の落ち着きを取り戻していますが、欧州はそこから更に下落しました。 世界の経済状況から REIT 市場も大きな下落相場となり、回復までに時間がかかりそうな感じです。
経済を調整するための米国金利上昇政策ですが、凄まじい効果を発揮していると思います。 やはり、金利の力はすごいものがあると改めて理解しました。
インフレに強いと言われていた REIT でさえもなかなかな結果となっています。
米国 REIT
年初を 100 とした米ドル建て VNQ チャートとなります。
6 月の中盤に更に一段下落しています。 正直、金利上昇の影響は 5 月の状況から 4 月後半の下落で調整が終わったと思っていましたが、まだまだでした。
6 月の後半にかけて戻し、今は横ばいで推移しています。 今回の下落で金利上昇の調整は終わったと思うのですが、私の予想は全く当たらない為、さらなる下落も十分考えられます。
6 月に入ってからの大きな下落はちょっと予想外でした。
欧州 REIT
年初を 100 としたユーロ建て REITE チャートです。
動き自体は相変わらず米国と同様となっています。 下落幅は小さいですが、段階を分けて下落し、最終的な下落率に差はない感じとなっています。
米国と同じ下落要因に加え、欧州 REIT 構成で大きな割合を占めるイギリスの政治も不安定となっています。 英国ジョンソン首相も辞任するようです。 真相はおいておくとして、様々な問題から世論の批判が止まらずこのような結果となっています。
ウクライナとロシア戦争などの影響もあり、欧州の時事が揺れ動いています。 欧州連合が発足して 30 年ほど? 欧州は今後どのようになっていくか注目です。
日本 REIT
年初を 100 とした円建て東証 REIT 指数チャートです。
日本 REIT は下落の動きこそ米国、欧州と同じですが、円安の影響も有り、収益という点では安定しています。 6 月中旬の下落幅は 7% 程となり、世界同様の急落をしています。 年初からの下落率を見ると現在は -7% と通常、REIT で見られる範囲内の下落率です。
これは現在の円安が大きな影響を与えています。 生活を日本円で行っている日本人にとってはとりあえず、助かっているという状況です。 ちなみに、米ドル建てとして見ると -14% 程です。 米国、欧州程ではないにしろ、それなりに下落していると思います。
中国の状況
中国恒大集団による事実上のデフォルトを期に中国不動産へもちょっとだけ注目しています。
現在の中国不動産状況は非常に思わしくなく、世茂集団 (シーマオ・グループ) という大手不動産企業もデフォルトしたようです。 その他、調べてみると小さな不動産企業が多々倒産しているようで、不動産の販売額が悪いようです。 去年と比較して 30% 以上も販売額が減少したとの報道もあります。 ゼロコロナ対策や世界経済の悪化で中国不動産市場は厳しい状況となっているようです。
おわり
全世界の REIT 市場は 5 月から一段下げ、株価指数と同水準の低迷に入っています。 原因は世界の景気後退、新型コロナウイルス流行の影響が非常に大きいと考えられます。
唯一、日本円から見た日本 REIT は小幅な下落率に留まっています。 しかし、これは為替の影響が大きく、世界基準の米ドル建てからみると大きく価値を下げています。 日本円で生活している我々からみるとこの瞬間だけは助かっていますが、長期的にはどうなるかわからないです。
REIT 市場も株価同様に我慢の年となります。
それでも、全世界への積立だけは継続していきます。