GPIF_2022年第一四半期運用状況を見る

年金積立金管理運用独立行政法人 (GPIF) の 2022 年第一四半期の運用状況速報が公表されていたので読んでいきます。

https://www.gpif.go.jp/operation/the-latest-results.html

結果としてはマイナス収益となっています。 しかし、2022 年の第一四半期は全世界株式 ACWI も -5.5% 程とプラス収益にする方が難しい経済でした。 そのような中、GPIF は -1.91% という最小限のマイナスで抑えています。 そして、安定的な長期運用を行う上では大きなマイナスを出さないことが重要です。 私の考えでは GPIF の運用は非常に優秀で参考にするべきだと思っています。

運用結果

項目 2022 年第一四半期 運用開始以降
収益率 -1.91% +3.56%
収益額 -3 兆 7,501 億円 +101 兆 6,787 億円

運用資産額は 193 兆 126 億円となっています。

凄まじい金額を運用しています。 これほどの金額を運用するためにはインデックス投資しか不可能だと個人的に思います。 すごいです。

また、マイナス金額だけを見て大きな損をしたと騒ぐことが予想されますが、運用開始から見ると大きなプラスとなっています。 GPIF の長期目標としては「賃金上昇率 + 1.7%」となっており、運用開始以降から見て優秀な運用を行っていると思います。

資産構成

資産区分 構成割合
国内債券 25.65 %
国債 25.70 %
国内株式 24.53 %
外国株式 24.12 %

GPIF の基本構成は 4 資産等分です。 大体は基本構成に従っていますが、債券の割合が上がっているように見えます。 ほとんど影響はないと思いますが、全世界的なインフレ、経済悪化に対して保守的な運用を行っていると考えられます。 まぁ、特に問題はないと思います。

構成自体はシンプルですが、長期安定投資を目的としているのであれば優秀な構成だと考えられます。 実際、結果も出しています。

市場環境

運用状況の最後に市場環境の変化を記載していますが、長期運用を目指している GPIF の方針であれば参考程度の内容です。 債券や株価の動きについて載せています。 しかし、長期インデックス運用を行っている GPIF の方針では四半期毎の市場状況、為替状況で売買を行うとも考え難いです。 あくまでも参考程度に記載している内容だと私は思っています。

感想

GPIF は非常に堅実な運用を行っており、長期的に収益を積み重ねているように思います。 年金を預ける身としては安心して預けることが出来ると思います。 年金全体から見ると運用割合が少なく、私の年齢では年金を受け取ることが出来るかわかりませんが、少しでも長く制度を維持するためにも堅実な運用を続けて欲しいと思います。

ポートフォリオに関しては仕事を引退し収入が減っている人にとって参考になると思います。 最もマイナスが大きかったリーマン・ショック時でさえ、-7.57% に抑えるなど優秀な成績を残しています。 「堅実な運用」を目指す人であれば真似する価値のある優秀なポートフォリオだと思います。

GPIF はメディアなどに大きな批判をされても常に堅実な運用を行っています。 今後も、安定した運用を心がけ積み重ねて貰えると非常にありがたいと思います。