独学大全を読んで

独学大全という本を本屋で見かけました。
2020年の9月に発売され、なかなかに分厚い本です。
本屋のポップによるとかなり売れているようなので、私も読んでみました。

本の概要

本好きであり、ブログなどを見る人の界隈では名の通っている「読書猿」さんが著者の本となります。
表紙に書いている通り、「大全」「Encycropedia」ということで、はじめから通して読むための読み物ではなく、 机の横や本棚にでも置いておき、必要となった時に内容を引くという使い方を想定していると思います。
そのためだと思いますが、本の裏には充実した索引があり、調べ直す道標を示してくれています。

本自体は大全を謳っていることもあり、ページ数も非常に多くなっています(振ってある数で752ページ)。 しかし、字の密度としては多くないです。1ページ内の空白も多いため、調べたことに対するメモも書き込むことができ、 自分だけの大全を作ることができるようになっているなと感じます。

各章の最初に、その章の概要と利用方法、心構えを「無知くん」と「親父さん」というキャラクターの問答を対話形式で書いています。 その後に、詳細な内容やツールに関することを書いています。 辞典的に使うのであれば、すべての章の対話部分だけを読み、後は調べたい時に索引を使って調べる方法が楽でいいと思います。 全部を読むのはさすがに時間がかかります。

この本で最も利用するであろう索引は「逆引き索引」になっています。つまり、本文は右綴じの本ですが、索引は左閉じで読んだ時に 数字 -> 英文字 -> 日本語 順になっています。普通に引くと「ん」から始まります。そのため、左綴じで索引を引き、右綴じで本文を読む 形になります。本書は非常に厚く、重いので索引が逆引きになっているのは非常に便利だと思います。

感想

独学大全という名の通り、独学を行うにあたって必要な「なぜ学ぶのか」「何を学ぶのか」「どのように学ぶのか」という項目を網羅的に説明しています。 主に独学をするにあたり、悩むであろうこと、つまずくであろうことに対しての解決方法やツールを示しています。自己啓発的な側面もありますが、 ひとつの方式のみを紹介しているわけではなく、場面場面に合わせた最適だと思われる方式を紹介しています。さらに、他の方法を検索する方法も記載されており、 独学を行う道標となっています。非常によい内容、構成だと思います。

私が思うこの本の最も良い点は空白が多いところです。ほとんどのページ下、1/4〜1/5程が空白になっており、自分の考えをメモできるスペースを与えてくれています。 辞典というものは通常、文字の密度が高いため本内に書き込めないことが多いです。そのため、別にノートを用意してメモを残すことになります。しかし、この方法だと 調べ物をする際に2冊の本を参照することになり、検索しづらくなります。百科事典や広辞苑などのように参照するだけの本であれば問題ないですが、独学のための本となると 自分なりの考えやメモを残すことが多いと思います。空白を多めに用意している本書は読む対象者のことを本当によく考えていると思います。

また、索引が逆引きになっていることも評価が高いポイントです。このような辞典として使う本は索引が最も使われる箇所となり最重要だと私は考えています。 辞典の場合、索引は最初に配置するのであれば順引き、最後に配置するのであれば逆引きが良いと思っています。特にこの本は後ろから一枚捲れば索引に アクセスでき、素早く調べたいページを引くことができます。さらに、「独学の困りごと索引」という索引の索引みたいなページが本の最後に用意されています。 独学の困りごと索引は索引するキーワードがわからない時に「自分が何をしたいのか」「それは本書のどこに書いてあるのか」をまとめているページです。 これも独学をする人にとって、非常に便利なものであり、読者のことを考えた配慮だと思います。

まとめると、対象とする読者層を意識した構成、内容、造りとなっており、非常に良く出来ている本だと思います。困りごとを解決する本ではなく、困ったことに対して、 解決するための考え方やキーワードを示してくれている辞典だと思います。困り事に対してどのようにアプローチすればよいかわからない時、また、さまざまな迷いごとが 発生した時にとりあえず開いてみる本として非常に優秀だと思います。独学に関する本はこれだけで十分だと思います。

余談

さすがに750ページもある本を読むのには時間がかかりますね。読み切った達成感はすごかったです。
1冊のページ数、本の厚みで我が家の1位になっていますね。