ひふみ投信から考えるインデックス投資の優位性 #2

前回からの続きです。
ひふみ投信」の現状を確認してインデックス投資と比較します。

前週比チャートの確認

無料で手に入る範囲でひふみ投信の週足を入手しました。
期間は2019年8月25日から2021年10月17日までとなります。

2019年8月25日の週を0とした前週比のグラフを作成してTOPIX日経平均と比べてみます。

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比較チャート

少々、見難い為、x軸のラベルを消します。

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X軸ラベル消去

ひふみ投信の問題点

前週比のグラフで見るとコロナショック以降、比較商品がほぼ同じ動きをしています。
ベンチマークとなる指数とほぼ同じ動きをするということは商品の手数料分だけ指数に対して負けてしまいます。本来であれば指数に対して手数料分だけパフォーマンスが上回っている必要があります。

アクティブファンドのパフォーマンスとしてはグラフの左側2019年後半頃の動きを目指す必要があると思います。つまり、ベンチマークに対して下落も大きいが回復力も大きくなるという動きです。私はチャート自体がそのような動きにならないとアクティブファンドはインデックスに勝てないと考えています。

直近のひふみ投信チャートはインデックスに対して明らかに回復力が劣っているように思います。中小企業を中心にした商品なのでコロナの影響が強く出ているのかもしれませんが、このままのパフォーマンスであればひふみ投信を買う理由はないです。

回復力の補足

私はアクティブファンドのパフォーマンスを見るに当たって、「回復力」を重要視しています。ここで言う回復力とは一度下落した価格が元の価格に戻ることを言います。なぜ、回復力を重要視しているかというと最も商品のパフォーマンスを見ることができると考えているからです。さらに、最も見落とされがちな部分と思っているからです。

例えば、
価格1,000円の商品が800円に下落した場合を考えると、下落率は -20% となります。この商品が元の1,000円に戻るためには800円を運用して +25% の上昇率を得る必要があります。

たまに、20%の下落後、20%の上昇で元の値に戻っていると勘違いしている人がいますが、運用資産が減っているため、同じ数字だと駄目です。下落率より大きい上昇をしないと資産は増えていきません。

ほとんどのアクティブファンドでこの回復力が見落とされていると私は思います。

1,000円の商品が -20% の下落後、25% の上昇することと、-10%の下落後、11%上昇することはほとんど同じパフォーマンスだということです。数字だけ見ると 11% より 25% の上昇が良く見えますが、資産価値の増減はほぼ同じとなります。

まとめ

ひふみ投信の直近一年のパフォーマンスはTOPIX日経平均に比べ劣っています。
この理由を私は「回復力」が弱い為と考えています。

インデックスの場合、この回復力も市場の平均を取ることができ、さらに手数料が安い分、純粋な平均値よりも高いパフォーマンスを得ることができます。

なんか、タイトルと話がズレた感じがありますが、アクティブファンドの回復力という点も見てみるとおもしろいかもしれません。