レバナスの現状と考え

一年ほど前からレバレッジ型の NASDAQ 商品がブームになっています。 所謂レバナスと呼ばれるものです。 主な商品としては iFree のレバレッジ NASDAQ100 という投資信託だと思います。

個人的にはレバレッジ商品についてはリクスが高くおすすめできないです。 株価指数というものは長期的に上昇していきます。 ただし、直線的に上昇するのではなく、上下を繰り返しながら上昇していきます。

レバレッジ商品の場合、大きな下降を経験すると復帰までに非常に時間が掛かる可能性があります。 つまり、リスクが高いです。 私は長期保有するにはリスクが高すぎると考えます。

今回はレバレッジ商品の現状を確認していきます。

レバレッジ NASDAQ とは

はじめに、レバレッジ商品でブームになっている NASDAQ はハイテク企業や IT 企業が多くを占める米国の株式指数です。 米国のハイテク関係は新興企業が多く、NASDAQ も新興企業の割合が多くなっています。 新興企業ということで S&P500 等よりリスクが高い指数です。

次にレバレッジとは証券会社から借り入れを行い、自己資金以上の投資を行うことを指します。 「てこの原理」などとよくわからない説明をされることが多いですが、証券会社から借金をして投資を行う手法です。

レバレッジ NASDAQレバレッジのシステムを利用して NASDAQ100 の指数を購入することです。 なんで NASDAQ100 を選んでいるのかは知らないです。 初出は 2018 年頃に iFree が出した商品だと思います。 続けて、最近は楽天も商品化しているようです。

レバナスの比較

いつも通り、詳しい表を作るのが面倒なので、モーニングスターのデータを拝借してトータルリターンの比較を行います。 トータルリターンは半年以上の数値を使います。 一ヶ月のリターンなどはあまり参考にならないという私の考えからです。

NASDAQ100 はレバナスと同時期に設定された iFreeNEXT の商品を元にします。 まだまだ新しい商品な為、データは少ないです。

商品名 6ヶ月 1年 3年
NASDAQ100 -1.61% -14.18% 20.05%
iFree -24.53% -57.01% 11.28%
楽天 -24.56% -57.24% -

ちなみに、iFree も楽天レバレッジは値動き 2 倍程度を目指すらしいです。

結果

結果は見てわかる通り、レバレッジ商品が大敗しています。 直近 1 年では 57% という大幅なマイナスとなっており、ひどい状況に陥っています。 NASDA100 が 14% のマイナスに対して、2 倍どころではなく、4 倍程の差がついています。 そして、iFree のトータルリターン 3 年で見ても収益は通常の NASDAQ に負けています。

これは......

という感じの感想です。

理由

なぜこのような自体が起こるかというと、指数の下落時は下落した金額を運用して利益を上げる必要があるからです。 例えば、100 という商品が 25% 下落して 75 になったとします。 この商品を元の 100 に戻すためには 75 を運用して 33% の利益を上げる必要があります。

これを値動き 2 倍を目指すレバレッジ商品に当てはめて考えると明らかに足りていないです。 つまり、100 という商品が 2 倍の値動きなので 50% 下落して 50 になります。 これを 100 に戻すためには 100% の運用が必要です。 しかし、実際は元となる NASDAQ100 の利益が 33% なので 2 倍の値動きで 66% の上昇に留まります。 合計で 83 までしか回復しないです。

これが株の下落時に起こる現象です。 要するに、今の世の中の状況であればレバナスが元になる NASDAQ100 に勝てる見込みはないです。

ただし、上昇相場であればレバレッジ商品はとんでもない利益を上げます。 興味がある人は計算してみてください。

おわり

まぁ、結果は想像通りです。 レバレッジ商品を買って良い人は投資経験が豊富な玄人か長期的に保有でき、リスクの高い下落に耐えることのできる人です。 経験の浅い人やこれから投資を始めるという人は絶対に手を出してはいけない商品です。

確かに投資系のブログなどで大きく下落している今でもレバナスを買い続けている人もいます。 これらの人は経験豊富でリスクも理解している人たちです。 歴戦の戦士たちなのです。

しかし、私達のような素人は素直に指数を購入し長期保有することが最も効率的です。 流行に流されてリスクの高い商品に手を出すことは避けないと駄目だと考えます。