S&P500から全世界株式への移行に対する疑問

少し前からインデックス投資界隈では S&P500 から全世界株式へ移行する流れがあるようです。 今まで、S&P500 を押していた人も所謂オルカンへ資産を移していると聞きます。 このことに関して個人的に疑問があります。

今回はそれについての雑談です。

はじめに

はじめに、私の立場としてはインデックス投資推奨派です。 主な理由は理論的に"再現性"が高いこと、難易度が低いことが挙げられます。 特に再現性が高いことはインデックス投資最大の特徴だと思っています。

ただし、株式だけでなく債券や REIT も含めた全世界へ分散した場合です。 株式だけへの集中投資には賛同できないです。 これは単純にリスクが高いからです。

そのため、S&P500 や 「オルカン」 一本への集中投資は良くないと考えています。

S&P500 から全世界株式へ移行する人への疑問

この疑問は過去 S&P500 を推奨していたにも関わらず、全世界株式へ移行した人への疑問です。 新規で全世界株式を選択した人はむしろ賢明だと思っています。

過去、S&P500 を推奨していた人の意見として下記の論理構成を謳っていました。


世界経済において、米国は最も重要な国で今後も長期的に経済成長が見込まれている。

S&P500 に組み込まれている企業は全世界で活動するグローバル企業であり、S&P500 を買うと全世界 7 割の企業を買っていることに等しい

よって、投資は米国 S&P500 一本で何も問題ない

補足として、米国の経済が下落すると全世界も下がるため、結局は世界経済は米国次第である


要するに、S&P500 を買っていれば全世界を買っているも同然と言っていました。

しかし、なぜか今、全世界株式が注目され S&P500 を推していた人も移行しているようです。 移行の理由もはっきり言ってよくわからないです。

S&P500 を買えば全世界に分散していることに等しいと言っていたのに、オルカンで全世界に分散すると言っています。 私の頭では処理できない言い分です。

未だによく理解できていないです。

個人的な見解

私の勝手な見解としては 2022 年のパフォーマンスが良くなかったから全世界に移行しているのだと思っています。 要するに S&P500 が短期で儲からなかったからだと思っています。

2022 年は一年を通じて下落基調の経済状況で、米国の下落は全世界株式と比べても大きかったと記憶しています。 バークシャーハサウェイが出していた年次リターンでは S&P500 は -20% 弱になっていたはずです。 ちなみに 2021 年は +30% 近いリターンとなっています。

脆弱

S&P500 が改めて大きく注目され始めたのは 2018 年頃だったと思います。 iFree が S&P500 のファンドを 2017 年に販売し始め、一年後に eMAXIS Slime が S&P500 の販売を開始しています。

この頃から S&P500 を買えば良いという論調が出てきたはずです。

しかし、たった 5 年ほどで S&P500 だけ買えば良いという論はほぼ消えています。 反対に S&P500 一本は危険という論がそれなりの数出てきているように感じます。

たった数年で変わるような論はやはり脆弱だと思ってしまいます。

ただし、今でも変わらずに S&P500 一本推しをしている人は一貫性があり、とても好感が持てます。

おわり

S&P500 から全世界株式へ移行する人の論がよくわからないという雑談でした。

何回聞いても S&P500 一本を推奨していた時と同じことを言って全世界株式を推奨しているように聞こえます。 納得いかないな…

個人的な推奨は株式、債権、REIT に分散したインデックス投資です。 これは私がインデックス投資を真剣に考えて行き着いた結果です。

特に株式一本で運用するとリクスが高いのでそこは理解しておいた方が良いと思います。