ドルコスト平均法についての勉強 #1

現在の世界経済はコロナ対策の反動であるインフレやウクライナとロシアの戦争による影響もあり、先行きが不安視されています。 特に米国の利上げ、中国不動産バブルの崩壊は影響が大きいと考えられ、年初から株価の下落が続いています。 今の所、株価が上昇するような要因、情報もないため、今年は全世界の経済が低調になると予想できます。

このような状況でも資産形成を行うにおいて非常に有効な「ドルコスト平均法」という投資手法があります。 一言でいうと積立投資のことですが、株価の下落局面においても利益を上げる可能性がある投資手法です。 証券会社からお金を借りて行う「空売り」とは違い、自己資金で行うため借金となることもないため比較的安全な手法です。 ただし、上昇相場においては利益を最大化できないというデメリットがあります。 しかし、長期投資を行う上では常に上昇相場となることはありえないため、大きなデメリットではないと考えられます。

今回からはドルコスト平均法について復習していきます。 世界経済が不安定な現在、この方法が有効に活用できる状況だと考えています。

注意点

基本的にドルコスト平均法を推す内容となるため、ドルコスト平均法が有利になるような内容で書いていきます。 ただし、当然、私が考える不利な点やデメリットも記載します。

ドルコスト平均法とは

ドルコスト平均法はその言葉から難しそうな印象を受けますが、単に一定金額を一定のタイミングで同じ投資対象に投じる投資手法です。 要するに積立投資のことです。 例えば、毎月、10,000 円を投資信託の購入にあて、1 年間で計 120,000 円の投資信託を買うという方法などです。 つまり、価格変動をする商品に対して、一定の金額を定期的に買うことです。

このように購入することにより次の効果があります。

  • 価格が高い時は購入量が減
  • 価格が低い時は購入量が増

ドルコスト平均法を用いることにより、投資資産の購入単価を平均化でき、リスクをなくせないまでもかなり減らすことができます。 以下に私が考えるドルコスト平均法のメリットとデメリットを記載します。

メリット

  1. 購入単価を平準化し、投資リスクを大きく減少できる。
  2. ボックス相場時も利益を上げることができる。
  3. 投資を始めるタイミングに縛られない。(いつでも始めることが可能)
  4. 少額からでも始めることができる。

デメリット

  1. 上昇相場 (右肩上がりの相場) では利益を最大化できない。
  2. 常に続ける必要がある。 (出口戦略が難しい)
  3. 万能ではなく、当然、損失となる可能性もある。
  4. 効果が判りにくい。

資産価値

投資商品における資産価値は次の式で表すことができます。

投資商品の「価格」 * 投資商品の「数量」 = 資産価値

通常、人は価格に目を奪われてしまいますが、資産価値を考えた場合、数量も非常に大事な項目になります。 と、いうよりも掛け算で表すためどちらも大事になります。

ドルコスト平均法で投資を行った場合、価格が低い時は「数量」を多く買い、価格が高い時は「数量」は少なく買います。 価格が低い時に数量を多く買うということは価格が上がった際にはその分、利益が多くなります。 価格が高い時に数量を少なく買うということは価格が下がった際にはその分、損失を少なくできます。 つまり、投資のリスクを低減でき、下落後の上昇時には利益を上げることができます。 さらに、これらの効果を投資タイミングを考えること無く期待できます。

ドルコスト平均法の効果を考える上では投資商品の数量というものが非常に大事となります。

常に下落する相場では効果がない

ドルコスト平均法では価格が低い時に数量を多く買い、そこから上昇した際に利益が多くなります。 これは資産価値の項目で書いた通りです。

しかし、そこから更に下落した場合は当然、損失となります。 所謂、ナンピン買いを行うわけです。 これは平均購入単価を下げることにより、利益が出る水準を下げる行為です。

この状態が続き、全く価格が上昇しない場合、全く利益にならないという状況になってしまいます。 積立投資や福利のマイナス効果と言われる状態です。 このような状態になってしまうとドルコスト平均法ではどうすることもできなくなります。 つまり、ドルコスト平均法では最終的に「価格が上昇する」ということが利益を上げる条件となります。

そこで、投資する商品が非常に重要となります。

投資商品

ドルコスト平均法を用いた積立投資では最終的に価格が上昇するということが重要となります。 常に下落する相場の場合、ナンピン買い繰り返しているだけの状態となり、利益を上げることができないからです。 どこかのタイミングで価格が上昇しない限りは利益を上げることができないです。

ただし、常に上昇相場の場合は効率が悪くなってしまうのもドルコスト平均法のデメリットです。 常に上昇する相場では一括投資の方が数量を多く買うことができ、資産価値の上昇も期待できます。 ドルコスト平均法の場合、価格が上昇したタイミングで買うことを繰り返すため、効率が悪いです。

つまり、価格が上下しつつも最終的には上昇すると考えられる投資商品がドルコスト平均法を実践するのに最適となります。

この条件を満たす最適な投資商品は全世界に分散したインデックス投資です。 過去の歴史を見てもこれ以上の最適な商品はないです。 国により、栄枯盛衰はありましたが、長期的に全世界の成長価値を考えると常に上昇しています。 そして、常に上昇しているとは言ってもその途中では様々な下落を経験しています。 これは皆さんご存知の通りだと思います。 ドルコスト平均法を実践するのに最適な商品だと考えられます。

ここまでのまとめ

  • ドルコスト平均法は一定の金額を定期的に価格変動商品に投じる投資手法です。
  • 全世界に分散したインデックス投資に適応することが最も効果的な実践方法だと考えられます。

続く

次回はグラフなどを作ってもっと具体的に考えていきます。

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実例の補足記事

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