2022年4月のREITチャートを眺める

4 月の REIT チャートを眺めていきます。

4 月の REIT は米国、欧州で大幅な下落を記録しています。 米国の方は過度なインフレとそれに伴う政策金利の上昇が原因だと考えられます。 欧州の方はウクライナとロシアの戦争による影響です。 特に 4 月後半からイギリスとロシアが舌戦となっているため、REITE 価格に大きな影響を与えています。

世界の情勢を考えるとこの下落は仕方ないものだと思います。

米国 REIT

年初を 100 とした米ドル建て VNQ のチャートとなります。

新型コロナウイルスの対応として市場に資金を注入しすぎた為、世界的に過度なインフレとなっています。 特に米国はその影響が顕著で過去に例のないスピードでインフレが進行しています。 このインフレを抑制するために FRB が 0.5% の政策利上げを決定しています。 利上げを行いさらに、金融を引き締めることによりインフレを抑制しようという考えです。

インフレを抑制するということは市場から資金を回収することです。 そのため、基本的には株価が下落します。 それにつられて REIT 市場も下落することが予想されます。

FRB が利上げを決定するという思惑と実際に決定したということで、米国 REIT は 4 月後半から大きく下落しています。 総合で 10% ほど下落していると思います。

個人的には過度なインフレによる悪影響の方が怖いと感じています。 そのため、今回の大幅な下落も仕方のないことだと思っています。

VNQ

欧州 REIT

年初を 100 としたユーロ建て REITE のチャートとなります。

欧州 REIT も 4 月後半に大幅な下落をしています。 原因は米国の利上げによる影響とイギリス、ロシアの舌戦による影響だと考えられます。 特にロシアに関する問題は終戦、解決の先が全く見えておらず、今後も長期間に渡り影響があると予想されます。

特に戦争の流れとしてはロシアが事実上の侵略を行う -> 各国がその行動を非難 -> ロシアが敵国認定するというなんともジャイアンな流れになっています。 正直、このまま行くと第三次世界大戦に発展することも十分考えられます。 しかし、そうは言っても侵略した側の要求を全面的に飲むと戦力を持っている側が強くなり、歯止めが効かなくなります。 外交に関しては非常に難しい状況になっています。

これらの影響が大きく作用し、10% ほどの大きな下落となっています。 これに関しても私は仕方のない下落だと考えています。

REITE

日本 REIT

年初を 100 とした日本円建て東証 REIT 指数のチャートとなります。

日本 REIT は横ばいとなっていますが、長期で気になる点があります。

それはマンション価格の上昇です。 知っての通り、日本の人口は長期的に減少することが確定しています。 しかも、低賃金なこともあり外国人の就労先としても魅力がなくなっています。 そのような状況の中、ちょっと調べてみると新規のマンション建築数や改修数が減っていないです。 そして、相続税対策なのかマンション価格も上昇しています。 さらに、緑地法の規制解除による影響でマンションを建てられる土地が市場に溢れています。

不動産というのは一つの政策や流行、需要の変化があると大幅に下落する危険性があります。 調査不足ではありますが、日本のマンションに関して少し懸念しています。 これについては引き続き時間がある時に調べてみます。

とにかく、現時点では日本 REIT は横ばいで推移し、米国や欧州のリスクヘッジとして機能している状況です。

東証 REIT

その他

中国恒大集団に関しては新型コロナウイルスによる影響でニュースが全く見当たらなくなりました。 それよりも上海の長期ロックダウンが注目されているようです。

おわり

4 月の REIT 市場は 3 月の回復分を吹き飛ばす下落の月となっています。 ある程度は仕方のない下落だと思います。 むしろ、3 月に上昇していた方がおかしかったのかもしれません。

どちらにせよ、積立を停止するほどの危機的状況ではないです。 引き続き淡々と積立を継続していきます。