NISA 恒久化の表明について

岸田首相がニューヨーク証券取引所の公演で NISA の恒久化が必須だと表明したようです。 非常に興味深く、久しぶりに是非、実現してもらいたいと思う表明だと感じます。 「新しい資本主義」や「資産所得倍増計画」を実現するためにも投資を有効活用するという道は避けて通れないと思います。 特に若年層へ投資の正しい知識を教育し、長期的な資産形成を行ってもらういうのは悪い政策ではないと考えます。

現在の NISA 制度は当初より少し複雑化しています。 「一般 NISA」、「つみたて NISA」、「ジュニア NISA」があり、それぞれにより投資可能な商品や年齢、金額などが違います。 一般 NISA は特定口座で取引可能な全ての商品に投資できますが、期間が 5 年と短く、延長するためにはロールオーバー申請をする必要があるなど面倒です。 つみたて NISA は投資金額が 12 でキレイに割れないことや限られた投資商品になるなど非常に中途半端な感じです。 ジュニア NISA に至っては 2023 年で廃止されます。 これは長期の資産形成が重要な投資において、その機会を減らすというなんとも言えない決定をしています。

さらに、2024 年から始まる新しい NISA 制度は今以上に複雑な制度となっており、個人的には参入敷居を上げていると感じます。

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制度が複雑になってくる原因は 2 つあると考えています。

1 つ目は作る側が得をするようにすることです。 制度を複雑にすることにより、お金の流れや権利を理解し難く、調べ難くすることにより、作る側への利益を隠すためです。

2 つ目は作る側が何をするべきか理解していないことです。 優先順位や目的を定めることができていないため、色々な事、事情を詰め込むことによりわけのわからない制度が完成します。 これは私も会社で良く経験しますし、そのような制度を作ってしまった事もあります。 最優先するべき目的に対して、全ての項目に対応しようとするとよく発生します。 切り捨てるべきところは切り捨てる方がシンプルでわかりやすく、運用も行いやすくなると思います。

NISA 恒久時に望む事

もし、NISA の恒久化が通るのであればシンプルな制度になることを望みます。 例えば、投資金額は合計千万円まで非課税にして、投資対象を選ばないや、選んでもインデックスに連動した投資信託のみ許可するなどです。

複雑な 2 階建てシステムや認定された投資信託のみ買い付け可能だとか、不要だと思います。 シンプルな制度を整えて、投資の教育を行い、後は個々人に任せれば良いと思います。 お金の教育が足りておらず、投資家保護を考えるのであればインデックス投資信託(株、債券、REIT含む)のみ投資対象すればリスクも抑えることができます。

とにかく、現行の NISA 制度は少し複雑で、新 NISA 制度は非常に複雑です。 このような複雑な制度にならないことを願います。

恒久化は素直に嬉しい

そうは言っても、NISA が恒久化することは非常に良いことだと思っています。 まだ、新 NISA 制度も始まっていないため少々、迷走しているようにも感じますが、長期インデックス投資を行っている私にはメリット大きいはずです。 財務省と戦うことになると思いますが、ぜひ恒久化に向けてがんばってもらいたいと思います。

まぁ、過去の動きを見るに結局は財務省との折り合いになると思います。